自動機・加工専用機の精密位置決め技術について
精密位置決め技術は精密位置決め・精密運動を実現するための技術です。
位置決めはフライス盤や旋盤をはじめとして、あらゆる汎用加工機、加工専用機、各種産業機械における極めて重要な要素技術となります。
位置決めに関わるシステムを精密位置決めシステムと呼称しますが、この精密位置決めシステムで望まれる特性や用途・目的は多岐にわたります。
特にその中で最も基本的かつ重要な特性は、製品の品質や生産効率に直結する、位置・運動精度と高速性です。正確にワークを動かし、止め、しかも高速で実行するということが求められます。
この精度とスピードという観点に加え、重要になってくるのが位置決めシステムのコストと流通性(入手性)です。
故障・不具合の際の修理交換といった点を重視すれば、直動部品や各種ベアリング、ステージ等をメーカー標準品で構成する方がよいこともあります。
しかし一方で生産効率、サイクルタイム等を追求し、競合他社と比較して生産面で優位に立とうとするならば、自社専用の精密位置決めシステム、ひいては専用機という選択肢が出てきます。一方で入手性や場合によってはコスト面でメーカー標準品を使用した精密位置決めシステムとは差が生じることがあります。
このバランスを取ることが生産技術や工機部門の担当者にとっては重要であり、さまざまな選択肢、要素技術選定に関わる判断が必要になります。